レビューのスパイラルを乗り切るには?
新人を卒業して、仕事がある程度できるようになると、一つの業務だけでなく、複数のタスクを同時並行でこなさなければならなくなります。特に、会社の外部に関わる業務(クライアントへの提出や公開する資料など)では、上司や責任者のレビュー・承認が必要になる場面が多いでしょう。
しかし、上司や責任者のレビューというのは必ずしも一貫したものではありません。ある上司に指摘された点を修正すると、別の上司に「なぜそうしたのか?」と突っ込まれることもあります。こうした状況に直面すると、
「どっちを信じればいいの?」
「このスパイラル、どう抜け出せばいいんだ?」
と、迷いとストレスが溜まっていきます。
さらに、自分の考えも別のところにあると、ますます前に進めなくなってしまいます。では、どうすればこの状況を乗り切れるのでしょうか?
仕事がうまく進まない人の特徴
私が見てきた中で、仕事が思うように進められず、社内でうまく立ち回れていない人には、いくつか共通する特徴があります。
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頑固で自分の考えを曲げられない人
もちろん、自分の意見を持つことは大事ですが、会社は組織で動いている以上、周囲とのすり合わせが必要です。「自分が正しい」と意固地になりすぎると、無駄に摩擦を生むことになります。 -
迷ったら考え込んでしまう人
指摘を受けるたびに「どうしよう…」と考え込みすぎてしまうと、作業が止まってしまいます。悩むこと自体は悪くないですが、考えすぎると期限にも影響が出てしまいます。 -
上司の機嫌ばかりを気にする人
「怒られたくない」という気持ちはわかりますが、そればかり気にしていると、肝心の仕事の質が二の次になってしまいます。上司にとっても「機嫌を取る部下」より「しっかり仕事を進める部下」のほうが信頼できるはずです。
どうすればこのスパイラルから抜け出せるか?
では、こうした状況を避け、スムーズに仕事を進めるためにはどうすればよいのでしょうか?私なりの考えをまとめてみます。
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上司の考えを優先することを割り切る
仕事はチームで進めるものなので、自分の考えよりも、まずは上司の意向を優先することが大事です。最終的な判断をするのは上司なので、「この仕事はこの上司の基準で進める」と割り切ると、迷いが減り、仕事もスムーズに進みます。 -
それでも納得できないなら、勇気を出して聞く
「どう考えても腑に落ちない」「このやり方ではリスクがある」と感じたら、そのまま受け入れるのではなく、勇気を出して上司に質問してみることも大切です。ただし、「上司が間違っている」と挑戦的に聞くのではなく、『なぜこのやり方なのか、背景を知りたい』 というスタンスで尋ねると、角が立たず、より良いコミュニケーションができます。 -
どこに妥協点を持っていくか考える
上司の考えと自分の考えがズレている場合、どこかで折り合いをつけることも必要です。- 上司の意向を全面的に受け入れる(最も手っ取り早いが、自分の納得感が低くなる可能性あり)
- 少しだけ自分の意見を織り交ぜて修正を提案する(バランスを取る方法)
- リスクが高い場合は「この方法で問題ないか?」と相談する(丁寧に確認を取ることで、より良い方法を模索できる)
「どこなら自分も納得できて、上司もOKを出せるか?」という視点を持つと、仕事の進め方がスムーズになります。
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修正方針を事前にすり合わせる
「A上司にはこう言われましたが、B上司の意見と合わせると、このような形にしたいと考えています」という形で、作業の前に方向性を共有すると、後から振り回されにくくなります。 -
完璧を求めすぎない
すべての指摘に完璧に応えようとすると、いつまでも仕事が終わりません。「このレベルならOK」という基準を決め、一定のところで区切りをつけることも重要です。 -
「怒られないため」ではなく「成果を出すため」に考える
上司の顔色ばかり伺うのではなく、「どうすれば仕事として最適なアウトプットになるか?」を意識すると、ブレにくくなります。怒られることを避けるのではなく、「良い仕事をすること」を目的にすれば、上司の指摘の受け止め方も変わるはずです。
まとめ
仕事ができるようになるにつれて、上司や責任者のレビューを受ける機会が増え、時には意見が食い違って混乱することもあります。しかし、レビューの意図を理解し、共通ルールを見つけ、事前のすり合わせを意識することで、スムーズに仕事を進められるようにな
ります。
そして、重要なのは 「自分の考えよりも、まずは上司の考えを中心に据えて仕事を進めること」 です。納得できない場合は、勇気を出して質問し、どこに妥協点を持っていくかを考えることで、より良い仕事の進め方が見えてきます。
「怒られたくない」ではなく、「より良い仕事をするためにどう動くべきか?」という視点を持つことが、最終的にはスパイラルを抜け出すカギになるのではないでしょうか?
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